ITエンジニアは給与水準が他の業種と比べて高く、常に一定数の需要があるので技術力があれば安定して働ける職業です。
ですが、覚悟しておいてください。
ITエンジニアという職業は向き不向きがあり、不向きな人にとってはとても辛く、きついものになるでしょう。
さらに所属する会社を間違えると、望む技術力を磨くことができず、スキルアップやキャリアアップ繋がらないなんてこともあり得ます。
でも、安心してください。
この記事ではITエンジニアが辛くてきついと言われる理由を詳しく解説し、どんな人が向いているのかもお教えします。
文系大卒・未経験でIT業界に入りエンジニアとして活躍、現在はAI系のベンチャーで勤務。
インフラからフロントまで幅広くカバーするフルスタックエンジニア。
目次
ITエンジニアは辛くてきついと言われる理由
そもそも、ITエンジニアがきついと言われる理由には、
- ITエンジニアになるのがきつい
- ITエンジニアの仕事が辛くてきつい
- ITの勉強が辛くてきつい
の3つに分けることができます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ITエンジニアになるのがきつい
一般的に未経験でITエンジニアを目指す場合、30代より20代、20代後半より20代前半の方が転職しやすいです。
いわゆる年齢による足切りと呼ばれるものです。
なぜ年齢で足切りがあるのか?
まず採用側の企業は、未経験者に対して、「やる気があるか」「体力はあるか」「責任感はあるか」「コミュニケーション能力はあるか」を求めます。
技術力はそこまで求められる訳ではなく、入ってから現場で身につけてもらえばいいと考える企業が多いです。
それよりも会社に入って「どれくらい成長してくれるか」、「どれだけ長く会社に貢献してくれるか」といった「ポテンシャル」を重視します。
その指標の1つとして分かりやすいのが「年齢」です。
若い方が成長しやすく、会社にも長く居てくれるだろうという考えが企業にはあるわけです。
さらに若い方が、給料を安くて済むので会社側から見ればできるだけ若い人を雇いたいというのが本音です。
ITエンジニアになるのには「年齢」の足切りがあるというのがきつい理由です。
もちろん30代でもポテンシャルがあると評価されれば採用されます。
具体的には、これまでの生き方や職歴の長さ、ITエンジニアになるために努力したことなど、どんな行動をしてきたかでポテンシャルを判断されることが多いです。
ITエンジニアの仕事が辛くてきつい
なぜITエンジニアの仕事が辛くてきついと言われるのか。
- 会社が辛くてきつい
- 職場の人間関係が辛くてきつい
- 仕事内容が辛くてきつい
の3つに集約されるでしょう。
●会社が辛くてきつい
IT企業は主にSES企業、受託開発企業、自社開発企業の3つに分類されます。
- SES企業:客先にエンジニアを派遣をすることを主な事業としている企業
- 受託開発企業:お客様企業からアプリケーションやシステム開発を受託開発する企業
- 自社開発企業:自社サービスを展開している企業
いずれも、良い企業もあれば悪い企業もあります。
悪い企業ではエンジニアのキャリアアップやスキルアップのことなど一切考えず、その場を凌げればそれでいいとばかりに若いエンジニアを使い潰すところもあります。
またSES企業は常駐する客先によって使う言語や技術が違うので、希望する言語を使う場所に配属されるとは限りません。
未経験であれば運用部署に配属されて夜勤のある3シフト制の保守部隊に回される可能性もあります。
●低賃金
未経験の場合、多くの場合、年収300万〜400万円でのスタートになります。
ITエンジニアの給与の相場としては低いです。
始めは戦力にならず教育の手間もかかる分、ある意味仕方がないと言えるでしょう。
しかし何年経っても昇給がなく低いままに据え置く企業もあるので、スパッと転職やフリーランスとしての道を模索した方がいいでしょう。
●残業が多い
IT業界にも、残業が多い企業やどうしても残業をしないといけない時期というのがあります。
残業が多いのは受託開発企業でクライアントからの納期や急な仕様変更などで残業が発生するという場合。
自社開発企業でもサービスのリリース直前はどうしても残業が発生します。
企業によって残業の多い少ないがあるので見極めが必要になってきます。
職場の人間関係が悪くてつらい
どこの職場でも人間関係の問題はついてまわります。
異動や退職などで良くも悪くもガラッと雰囲気が変わる場合もあります。
私の経験では、経営層の方針転換に反発したベテラン層がどんどん退職したことで現場が回らなくなり、職場の雰囲気が険悪になってしまったというのがあります。
SES企業の場合、常駐する客先が定期的に変わるので、その度に人間関係を築いていかないといけない煩わしさもあります。
仕事内容がきつい
仕事内容がきついと感じることもあります。
具体的には、仕事内容のレベルが高かかったり、量が多くてきつい場合。
反対に仕事内容が単調過ぎてやりがいを感じれないという場合です。
前者は客先常駐や1人で幅広くこなさないといけないベンチャーが該当します。
後者は保守やテスト系のやることや手順が決まっている仕事で感じることが多いです。
またITエンジニアはできる人ほど仕事が集中する傾向があります。
さらにそういった人ほど真面目で責任感が強く頼まれた仕事を断れません。
いつの間にかキャパオーバーになってメンタルを崩してしまう人が多いのもITエンジニアの現実です。
職種や立場によっては、システム障害の対応で休日出勤や深夜対応も求められる場合があります。
システム障害でいつ呼び出されるか分からない状態は心が休まるときがなく、精神的にタフでないと務まりません。
ITの勉強が辛くてきつい
IT技術は変化のスピードが早く、常に勉強をし続けないとエンジニアとして活躍できません。
IT技術にあまり興味がなく、技術を磨いたり勉強することが嫌いな人にとっては、辛くてきついと感じるでしょう。
辛くてきついのになぜITエンジニアを目指すの?
ITエンジニアは辛くてきついのになぜITエンジニアを目指す人がいるのでしょうか。
それは、一言で言うと「IT技術が楽しいから」です。
私自身もIT技術でできる事の楽しさや可能性を感じて、この業界のドアを叩きました。
プログラミングができれば面白くて人の役に立つアプリやサービスを作ることができます。
サーバーやネットワークが好きでインフラエンジニアを目指す人もいます。
IT技術はさまざまな分野で成り立っていて、それぞれに面白味があり、興味が尽きません。
好奇心旺盛でものづくりや技術が好きな人には魅力的な職業です。
またお金の面でも利点があります。
他の業種と比べても給与水準が高いですし、技術力があれば高待遇で転職することも可能です。
プログラミングができれば副業やフリーランスへの道も開けます。
努力はもちろん必要ですが、努力した分だけスキルや実力がしっかりつくのがプログラミングの良さです。
ITエンジニアの未来は明るい
今後もITエンジニアは求められる存在です。
経済産業省の調査では現状でも約37万人のエンジニアが不足しており、2030年には約79万人の不足するとされています。
こういった状況のため、技術力があればあるほど待遇が良くなるのも頷けます。
ただ1つ注意しておかないといけないがあります。
それは今現場で不足しているのは技術力のあるエンジニアであるということです。
未経験者でも諸手をあげて歓迎されるわけではないので、しっかりの技術力をつける行動や覚悟は必要です。
ですがITエンジニアになることができれば、安定して働くことができるので、努力する価値はありますよ。
未経験からプログラマーになりたいなら
ITエンジニア、特にプログラマーになりたいという人はすぐにでもプログラミングの勉強にチャレンジして欲しいなと思います。
1日5分や10分でもかまいません。ProgateやPaizaラーニングなど手軽にプログラミングを学べるサービスがあるので活用しましょう。
本気でプログラマーへの転職を目指している人は転職サポート付きのプログラミングスクールを検討してみてください。
スクールの選び方やおすすめのプログラミングスクールをまとめた記事があるので、参考になるはずです。
この記事を読んで、1人でも多くの人がITエンジニアに興味を持ち、IT業界で活躍してくれればと思います。
未経験からITエンジニアを目指そうと考えている人
ITエンジニアの仕事に興味がある人